ACのCMで、「女の子という理由で、学校に通わせてもらえなかった子がいます」というフレーズを聞くと胸が苦しくなる。これ、私の事だ、と。私の場合は大学なわけで、ここ平和な日本で最低限の教育を受けさせてはもらったわけだけれど、それでもあの頃明らかに大学へ行けるポテンシャルを持っていた自分が女の子だからという理由だけで、大学への道を閉ざされて本当に悔しい思いをした。たぶんこれ、私だけじゃないと思う。私よりも上の世代の、当時勉強がよくできた女性の方がそう思う方、多そう。
私の場合、両親の最終学歴が田舎の誰でも入れる工業高校と高校で、親戚も全員高卒。弟もあんまり勉強が得意ではない。なぜか私だけが勉強がよくできて、親戚の中で完全に浮いた存在。今でも自分はこの血筋とは関係のない人間じゃないのかと思うくらいに、物事の理解力や基本的な考え方が違う。これは彼らを決して上から目線で見下して馬鹿にしているわけでは決してなく、なんで私ってこんなに違うんだろう、という「差別」ではなく「区別」の話。彼らは基本的に私よりもとても良い人だし真面目です。
そういう環境だったので私は高校進学時、地元の進学校への道を閉ざされてしまった。「進学校へ行って地元の国立大学に合格するという大学へ行く激安コースに乗れたとしたとしても、うちは女の子のあんたに大学へ行くための学費は出せない。うちは出来の悪い、でも男子かつ長男である弟に専門学校へ行かせて資格を取らせたいから、女の子のあんたは我慢してほしい。どうせ女の子は結婚するんだし」とはっきり言われてしまった。そして親の計画通り、弟は4年間も専門学校へ行き、県内ながらも一人暮らしをさせてもらい、○○療法士の資格を取った。でも数年働いた後、男でこの仕事は先が見えないからと資格と全然関係のない工場に転職して今に至る。そして私は今も独身。ねぇ、私が我慢したのにこの結果って何なのさ。兄弟2人とも、親の予想と全然違う人生歩んでるんですけど。
ちなみに地方では、こういう考えの親が今でも結構いる。田舎では、親戚一同が全員高卒で県外へ誰も出たことがない、みたいな人がゴロゴロいる。だからたまに県外の大学へ行く子供が急にひょっこり出てくると、まじでどうしていいかわかんなくて、不動産屋に勧められるままに高いワンルームマンションを契約したりしている。まぁしょうがないよね、わかんないもんね。ほんと地方って、時代に遅れすぎ。
あのACのCMのコピーを考えた人は都会で生まれ育った、経済的に恵まれ当たり前のように親戚一同が大学へ進学するような男なのかな。
まわりみでしたー。
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