地方に住むって、こういう感じ

20代を都会で過ごした女が、地方に戻ってひっそり幸せに暮らす様子。

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兼近大樹「むき出し」

どうも、まわりみです。
水耕栽培しているパキラの根っこが長くなりすぎていて心配です。これ、どうしたら良いんだろう。


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兼近大樹「むき出し」。あぁ、彼ね。EXITのね。あの人の人生、すごいみたいだよね。テレビでコメンテーターとかしている時も、子供の頃の環境でどうにもならなかった人たちに実感を持っての寄り添ったコメントをしていているよね。小説書いたんだ。半生をね。へーそっか、彼、小説書いたら良さそうだもんね。


これを読む前にこんなことを思っていた私は馬鹿だけれど、兼近大樹はもっともっと馬鹿だ。
彼は、小説家になるためにお笑い芸人になったという、大馬鹿者なのだ。


彼のような小説家が、なぜかお笑い芸人をしていることに感謝しなけれいけない。
彼のような人が芸能界で人気者な奇跡を、しっかりと見なければいけない。
このような作品が生まれたことに、希望を持たなければいけない。
彼のような人が、テレビで笑っている姿を見られることを、ありがたいとも思うべき。


彼は、私たちいわゆる「小説を読む人」が見たことのない世界を見て、経験して、文字にしてくれた。こういう作家はなかなかいない。どっちもすることは、難しいから。
この「むき出し」を読んで、私は山田詠美さんを思い出した。彼女の若い頃の作品は特に、そういうタイプのものが多いと思っているから。
しかもそういう世界こそ、「小説」なのだ。
ちなみに世の中的には、先日亡くなった西村賢太さんタイプ、いうコメントも見た。


山田詠美さんは「ひざまずいて足をお舐め」で、処女作「ベッドタイムアイズ」を作家になる為の「フタだった」「あれを書くことで作家になるためにフタを取った」と書いていた気がするのだけれど、この「むき出し」も、彼にとってそういう「フタ的な」作品なんじゃないかなと思っている。
ぜひ、書き続けて欲しい。彼の作品を、また読みたいから。


詠美さんの場合、「自分は「小説を垂れ流している魅力的な人」を近くで見て、自分はそれをそのまま小説という形にして書いているだけ」と言っていたけれど、兼近の場合は、「小説を垂れ流している人」と「小説を書く人」が同じ人のパターンで、それって、かつてないのでは?と思っている。
しかも彼の今の本業は、お笑い芸人。信じられない。


この作品は、かつての兼近みたいな子を救う力もあるし、私みたいに平和に成長した大人にヒリヒリとした気持ちを与えることもできる、不思議な小説。
誰にでも、優しく、せつなく、かなしい。
そして、身の周りの見て見ぬふりをしていた「分断」を強烈に感じることができる。


いわゆる「悪い子」が絶対に読むべき本ではないかと思う。
この本があれば、大人からの説得なんていらないんじゃないか、とさえ思う。そのくらいの力を感じる。
でもそういう子って、実は発達障害だったりで文字を読めないこともあるそうだから、無意味な場合もあるかもしれない。でもでも、文字が読める子にはぜひ読むことにトライして欲しい。そんな作品。


これをみんなが読めば、「分断」なんてなくなるんじゃないか、なんて平和ボケなことは言えないけれど、この作品は、もっともっと、多くの人に読まれるべき小説だと思う。これは絶対に。


これからずっと、私は彼の人生を気にかけながら生きてゆくだろう。
まわりみでしたー。



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