この高齢化社会で、「お金は持って死ねない、だから使おう」、なんて言うけれど、そうなる前の、そんな状況を見ました。
先日、住んでいるマンションのエレベータに乗って降りている途中、これからデイサービスへ行くらしき車椅子に乗った、非常に痩せたおばあちゃんと迎えのスタッフが乗ってきた。
そのおばあちゃん、車椅子の膝の上にシャネルのバッグを乗せていて(持っていて)、私はそれが本物なのかどうかが気になって気になって、凝視。
それはかつて流行った、シャネルのニュートラベルラインのトート。色はベージュ。
流行ったのは、15年くらい前だったかな。当時は黒を持っている人が圧倒的に多くて、ベージュやピンク、水色もちらほらって感じだったような。
今は相当に安く買えるみたいだけれど、当時は高級で流行りのバッグ。
私が見たところ、たぶん、そのおばあちゃんが持っていたのは本物だった。
シャネル ニュートラベルライン トート - Google 検索
とても申し訳ないけれど、その姿を見て、私はとてもせつなくなってしまった。
これから誰にでもやってくるであろう高齢化。
「寿命」と「健康寿命」は違うと認識し始めてきた日本人。
「お金は持って死ねない」となる以前の段階には、「シャネルを持ってデイサービスへ行くのは何だかかなしい」。
そういうような格言が、これからは出来てゆくのかな、なんて思ったり。
自力で歩くことができなくなった時に、シャネルのバッグを持ったって、ただ、かなしいだけ。
首の後ろに腕が回らなくなってしまったら、高価なネックレスを持っていたって、意味がない。
仕事も約束もなければ、高価な時計を持っていたって、時間を見る差し迫った目的がない。
私みたいな人にあれこれ思われないよう、なるべく高価なブランド物を持たずに、ただ元気に生きてゆきたいです。
それじゃあバイバイ、まわりみでしたー。
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