地方に住むって、こういう感じ

20代を都会で過ごした女が、地方に戻ってひっそり幸せに暮らす様子。

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「空芯手帳」を読んで、「名前のない仕事」について考える

先日、八木詠美「空芯手帳」を読んでから、「名前のない仕事」について考えている。










↑ネタバレするわけではないけれど、空間を空けてみる


作品中に出てくる「名前のない仕事」は、面倒なこと、つまらないもの、まだまだ男性社会な職場を描く為、として描かれる。
男性が率先してやらない、昭和な男たちが「それって女性の仕事だろ」と思っているような数々の雑事。
彼らの中には、例えば複合機(コピー機)の用紙は湯水のようにトレーの底から勝手に湧き出てくるものだと、信じてやまない人もいるに違いない。


この小説を読みながら、でも「名前のない仕事」って私は結構好きなんだけどな、意外にそういうのって男性陣に見られているしね、と思った。私は、この小説の主人公とは全然違う風に「名前のない仕事」を捉えている。
読了後も、相変わらず「名前のない仕事」をしつつ働いているけれど、その考えは変わらない。


「名前のない家事」の存在は知っていたけれど、「名前のない仕事」という言葉は、今回初めて聞いた。「名前のない家事」は家庭内、「名前のない仕事」は職場内に存在する。
これらは、すぐにできるし誰にでもできるけれど、時間のない時には面倒になる仕事。


私はこの両者を比べ、職場での「名前のない仕事」の方が、多くの人に気づいてもらいやすいし、認められやすいと思っている。だって家族って、人数が少ない。
しかも職場には、就業時間がある。だから、全然苦にならないけどな、と思っている。
多分それは、今の仕事に余裕があるから。


地方に戻って派遣社員になった私は、これまでの仕事に比べて内容が超楽で、時間が余りまくる状況に驚いた。毎日定時で帰れるってこういうことか、と初めて納得した。
仕事量に余裕があるので、余る時間が絶対出てくるし、少し先の締め切りさえ守れば持ち越しもできる。だから、定時に帰れるというしくみ。


私は都会でそういう仕事に就いたことがなかった。基本的に専門的な知識が必要なものだった。だから、エクセルが使えるとかは大前提なわけで、そこに価値はなかった。
でも、今の地方での派遣先では、自分では充分とはちっとも思えないパソコンの知識は、周りから見たら充分だし、細々とした雑事への知識も行動も、重宝される。
だから昔に比べたら仕事が基本的に簡単で、時間も余る。何をするにも余裕を持ってできるから、プラスアルファの事もできて、更に楽しい。


名前のない仕事は簡単。誰にも教えてもらわなくてもできる。こんなことして時給もらって申し訳ないなぁと思いながら、やる。
しかも人って、見る人は見ている。それを私は分かっているから、やっている。その方が、人間関係は円滑になるし、私のポジションは上がるから。
いよいよそれも終われば、今度は新しい知識を身につけたり。恥ずかしながら、私は今の職場で初めてエクセルのマクロ機能について学んで、活用するようになったのです。ありがとうございます。


これが、仕事量が多ければそうはいかない。雑事へ時間を取られたくないから。
そして、もし私が若ければ今のような気持ちにはならなかったと思う。
この退屈で誰にでもできる仕事をする生活がずーっと続くのかぁと絶望してしまうだろうから。


これまで忙しく働いた経験があるからこそ感じる、余裕があることへのありがたさ。そして、余った時間は名前のない仕事をしましょうという気持ちになる心の余裕。
都会で忙しく働いていた頃の専門知識を直接的には全然使わないけれど、人生に無駄はないのだなと、ぼーっと働きながら日々思う。


最後に。
この小説自体、結構面白かった。私は読みながら、チョ・ナムジュ「82年生まれ、キム・ジヨン」と村田沙耶香「コンビニ人間」を思い出した。言葉に出来ない女性の生きづらさをえぐってくれたり、働くことについて考えさせられたり。そしてホラーな感じも。
一部の女性に共感されると思う。男性陣は置いてけぼりな感じだけれど、社会勉強にぜひ読んでほしい小説だと思いました。


なんか私、すげー仕事できる女みたいに書いたけれど、以上は個人の意見ですのでご理解の程よろしくお願いいたします。
まわりみ


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